「正直、この価格で出せるのは今年が限界かもしれない」
東京・日本橋で創業100年を超える老舗うなぎ店の4代目店主は、仕入れ伝票を前に深く息を吐いた。うな重上サイズが1杯4200円。数年前なら客が激減するほどの強気な値付けだが、これでも採算ラインギリギリだという。
原因は明確だ。池入れされるシラスウナギの不足による養殖用稚魚の価格高騰である。「白いダイヤ」と称される体長わずか6センチほどの稚魚は、投機対象にすらなっている。大手外食チェーンは相次いでウナギメニューの価格改定を余儀なくされ、一部の大衆店では「中国産への全面切り替え」や「ナマズ・サンマを使った代用メニューの導入」に踏み切る動きが加速。日常の食卓とウナギの距離は、確実に広がり続けている。