山下大輝がデク役に抜擢された当時、彼はまだキャリアの初期にいた。決して器用なタイプではなかったと本人は振り返る。しかし、オーディションの瞬間に彼が見せた「泥臭さ」と「必死さ」こそが、原作者の堀越耕平や制作スタッフの心を動かした。
「綺麗に演じようとしない」。それが彼のスタイルだった。喉がちぎれんばかりの叫び声、泣きじゃくりながらも前を向くリアルな感情表現。それらは、技術を超えた「生きた人間」の息遣いそのものだった。デクというキャラクターの泥臭い努力と、山下自身の声優としてのハングリー精神が見事にシンクロした瞬間だった。