ミルクボーイの「行ったり来たり漫才」は、なぜこれほどまでに審査員と観客の心を捉えたのだろうか。そこには計算し尽くされたロジックがある。
最大の勝因は、誰もが知る日常的なモチーフを題材にしつつ、肯定と否定を交互に繰り返す「リフレインの構造」にある。「おかんが言うには…」「ほなコーンフレークと違うか」というフレーズの反復が、心地よいリズムを生み出し、後半に行くにつれて笑いの閾値を極限まで下げていく。
近年の賞レースにおいては、高度な伏線回収や構造をひねったネタが増加傾向にある。しかし、最終的に審査員の心を動かすのは、愚直なまでの爆発力だ。完璧なシステムと人間味の融合こそが、今なお勝率の法則として研究され続ける理由と言える。