会津のソースカツ丼を語る上で欠かせないのが、店ごとに全く異なる「タレ(ソース)」の個性だ。ウスターソースをベースに、ケチャップ、醤油、和風だし、さらにはリンゴや蜂蜜などの果実や甘みを絶妙な比率でブレンドし、長年継ぎ足されてきた秘伝のタレ。ドロッとした濃厚な甘辛さの中にほんのりとした酸味が走り、揚げたてのカツをくぐらせることで完成する。
そしてもう一つの主役が、圧倒的なボリュームを誇る豚肉だ。厚さ2センチを超えるような分厚いロース肉を使用しながらも、丁寧な下ごしらえにより驚くほど柔らかくジューシー。衣はきめ細やかで、ソースにくぐらせてもベチャつかず、適度な歯ごたえを残す。さらに、カツとご飯の間に敷き詰められたシャキシャキのキャベツが、濃厚な味わいの中で見事な箸休めとなり、最後まで飽きさせずに食べ進めさせる計算し尽くされた構造になっている。