脱皮を繰り返して成長する等脚目にとって、カルシウムの補給は生命線である。昆虫学の研究者であり行動生態に詳しい岡浩平氏らの知見によれば、体内のミネラルが不足すると、彼らはコンクリート壁や卵の殻などを積極的に探し求め、強力な大顎で削り取るように食べるという。
脱皮は前半と後半の二段階に分けて行われる。古い皮に含まれるカルシウムを一度体内に再吸収し、足りない分を外部の無機物から補う。ブロック塀の表面によく集まっているのは、単に日光を避けているだけでなく、文字通り「壁を食べて栄養補給している」からに他ならない。