この歴史的タイアップを仕掛けたのが、本田技研工業(Honda)だ。彼らがコンパクトSUV「Honda VEZEL」の大規模なプロモーションを展開するにあたり、当時まだメインストリームのど真ん中にいたわけではないインディーズルーツのバンドを起用した決断は、自動車産業におけるマーケティングの常識を覆す大胆な挑戦だった。
自動車というプロダクトのスペックを直接的に誇唱するのではなく、そのクルマがあることによって得られる世界観や「センスの良い時間」を提供する。この思想に基づいた映像と音楽の統合は成功を収めた。Honda VEZELは若年層を中心に圧倒的な支持を獲得し、自動車の広告クリエイティブにおける金字塔として、今なお業界内で語り継がれている。