川辺や池のほとりで見かける大型の齧歯(げっし)類にも、大きな勘違いが潜んでいる。愛くるしい表情で動物園の人気者となっているカピバラ。そして、特定外来生物に指定され西日本を中心に農作物被害が深刻化しているヌートリアだ。
水面に顔を出して泳ぐ姿は一見して区別がつきにくい。だが、決定的な違いは大きさと尾の形状にある。成体になれば体長1メートルを超え、尾がほとんど退化しているのがカピバラ。対してヌートリアは体長50〜60センチ程度で、ネズミのような太く長い尾をなびかせて泳ぐ。また、ヌートリアの鮮やかなオレンジ色の前歯は、観察時の大きな目印となる。
南米原産という共通のルーツを持ちながら、一方は癒やしの象徴として愛され、他方は生態系を脅かす存在として忌避される。人間の都合によって持ち込まれた歴史が、彼らの現在地に暗い影を落としている。