和牛の解散というニュースが世間を駆け巡った際、多くのファンが言葉を失った。日本中のお笑い界を牽引し、M-1グランプリの歴史に幾度となくその名を刻んだ稀代のコンビ。そのツッコミ役として、異彩を放つ間(ま)と憑依的な表現力を見せていた川西賢志郎は、解散後、テレビのバラエティ番組に過度にしがみつく道を選ばなかった。
周囲が期待したような「ピン芸人としてのバラエティタレント化」ではなく、彼が求めたのは、自らの身体ひとつで物語を紡ぎ出す場所だった。現在、彼の視線は一貫して舞台へと注がれている。テレビ画面越しでは伝わりきらない圧倒的な生の空気感を、彼は今まさに全身で楽しんでいるかのようだ。