白布賢二郎というキャラクターの美学は、引き算の美にある。派手なアタックやトリッキーなトスで観客を沸かせるセッターとは一線を画し、彼は徹底してコート上の主役を牛島若利に譲る。しかし、その「主役を立たせるための徹底」こそが、かえって異彩を放つ。
原作コミックスのカラー原画やトビラ絵を読み解くと、原作者・古舘春一の緻密なラインワークが白布の冷徹な眼光と緊張感を際立たせていることがわかる。静寂の中にみなぎる集中力、ブレのないハンドリング。集英社からリリースされた公式画集に収められたビジュアル群は、彼の内面に秘められた不屈の闘志を雄弁に物語っている。