柴咲コウ演じる整備士・緒川歩実は、単なる「主人公の相手役」にはとどまらなかった。両親を航空機事故で亡くした過去のトラウマと向き合いながら、航空機の安全を愚直なまでに守り続けるプロフェッショナルとしての誇り。その頑なで、どこか不器用な生き様が、多くの視聴者の心をとらえた。
当時、まだ20代前半だった柴咲コウの眼差しには、他の追随を許さない圧倒的な眼力と透明感があった。過剰に媚びることのないサバサバした言動の奥にある、確かな優しさ。いわゆる「ツンデレ」という言葉が一般化する直前の時代において、彼女が体現したヒロイン像は、働く現代女性たちの自立心のシンボルとして語り継がれている。