近年のヒット作を振り返ると、物語のスパイスとして配置されていたはずの「陰のあるキャラクター」が、いつの間にか物語の中心に据えられていることに気づく。かつてのトレンディドラマのような、華やかで完璧なヒロインの時代は過ぎ去った。今、視聴者が求めているのは、傷つき、悩み、それでも静かに生きる等身大の姿だ。
この変化は、動画配信サービスの普及と無関係ではない。スマホの小さな画面で、あるいは深夜の自室で一人、ヘッドホンをつけながら観るパーソナルな視聴環境において、大げさな芝居よりも、微細な表情の変化で感情を伝える演技のほうが、圧倒的に観客の胸に刺さる。その中心にいるのが、言葉にできない孤独を背負った表現者たちなのだ。