汽笛の音が本館構内に響き渡る。1909年にアメリカのポーター社で製造された蒸気機関車アイアンホース号が、今もなお現役で蒸気を吹き上げながら線路を走る姿は圧巻の一言だ。2026年現在の最新の運行体制を取材すると、丁寧なメンテナンスに支えられたボイラーの稼働音と、石炭の焦げた匂いが鼻腔をくすぐる。単に展示ケースに収めるのではなく、動く状態を保ち続ける動体保存の現場には、整備士たちの並々ならぬ執念があった。
往復約400メートルの展示運転路線を走る際、転車台で車体がゆっくりと回転する光景はギャラリーの歓声を誘う。蒸気を排出しながら巨体が回る瞬間、半世紀以上前の鉄路の息吹がそのまま現代に蘇るかのようだ。