電源が切れたスマホがなぜ居場所を知らせることができるのか。その秘密は、常時極小の電力で通信を続けるBluetooth Low Energy(BLE)技術にある。画面が消え、メインCPUが眠りについた後も、通信チップだけは周囲に向けて暗号化されたビーコン信号を発信し続ける。この信号をキャッチするのが、街中を行き交う何億台もの他人の端末だ。
Google LLCが推し進める「Find My Device Network プロジェクト」は、世界中の端末を巨大な分散型探知網へと変貌させた。すれ違った無数のスマホが中継局となり、暗号化された位置データをクラウドへ転送する。持ち主以外には位置情報の解読が不可能なプライバシー保護構造が組み込まれており、個人の匿名性を完全に保ちながら、地球規模の捜索網が構築されているのだ。