テレビメディアによる報道も、この惨劇に対する社会の関心を急速に高める要因となった。テレビ朝日系の「報道ステーション」は、事件直後から現地取材を敢行し、被害者の人柄や被告らの日常における一面を立体的に描き出した。一方、「NHKスペシャル」等の深掘り番組では、若者の人間関係におけるSNS依存や暴徒化する集団心理のメカニズムを特集し、現代社会の構造的問題として提起した。
しかし、過熱する報道合戦は同時に「事件報道ジャーナリズム」が直面する倫理的課題も浮き彫りにした。容疑者の過去やプライバシーをめぐる情熱的な取材が消費される一方で、事件の本質や再発防止に向けた建設的な議論がどこまで深められたのか。報道関係者の間でも、ショッキングな事実の提示にとどまらない、本質的なニュース価値のあり方を問う声が上がっている。