なぜこのような事態が何度も繰り返されるのか。その背景には、スペインにおける文化財修復の「資格制度」の甘さがある。専門的な訓練を受けたプロの修復家が多数存在する一方で、地方の小さな教会や自治体が所有する美術品については、入札や発注のプロセスが極めて不透明なことが多い。
「予算がないから」という理由で、地元の絵画教室の教師や、家具の修復業者、あるいは単なる「器用なボランティア」に国宝級の遺産が委ねられてしまう。今回も、修復を請け負ったのは美術品の保存修復に関する公的な資格を持たない地元の業者だったことが判明している。