いざホウ酸を購入しようとしても、店舗のどこを探せばよいか迷う利用者が少なくありません。実店舗における薬局やドラッグストアでの売り場は、一般的に「消毒用エタノールや精製水が並ぶ消毒薬・試薬コーナー」です。害虫駆除剤売り場(殺虫剤コーナー)には完成品のコンバットやブラックキャップが並んでおり、原料としての純粋なホウ酸末(第3類医薬品または試薬規格)は医薬品棚の一角に白と青のパッケージで陳列されています。
入手したホウ酸を家庭で衛生管理に活用する際、基本となるのがホウ酸水溶液の作り方です。ホウ酸は冷水には溶けにくく、温水に溶けやすい性質を持っています。20℃の水100mlに対して約4.7gしか溶けませんが、60℃程度まで温めると約14gまで溶解度が向上します。常温で使用する場合は、ぬるま湯を用いて完全に溶かしきった後、室温まで冷まして使用するのが基本的な調製手順です。
かつて結膜炎や目の異物除去として一般的だった目の洗浄用ホウ酸水の使い方については、現代の医療現場では注意が促されています。薬局方で定められた洗眼用ホウ酸水は「約2%以下の希釈濃度」を精製水で厳密に作り、無菌状態を保つ必要があります。家庭環境で作った水溶液は空気中の雑菌が混入しやすく、容器の衛生管理が不十分な場合、かえって角膜を傷つけたり二次感染を引き起こす危険性があります。現在ではドラッグストアで無菌パックされた点眼型洗眼薬が安価に入手できるため、自家製ホウ酸水による洗眼は避け、品質管理された製品を選択するのが賢明な判断です。