言葉の重みが違う。飾られた美辞麗句など一切ない。高橋優が手掛けた『虹』の歌詞世界は、泥と汗、そして挫折の臭いが強烈に立ち込めている。2017年の「第99回全国高等学校野球選手権大会」中継(朝日放送テレビ)や、夏の風物詩である『熱闘甲子園』のテーマソングとして書き下ろされたこの楽曲は、甲子園という聖地に挑む若者たちのリアルな感情を容赦なく描き出した。
冒頭から突きつけられるのは、過酷な現実だ。誰もが主役になれるわけではない。誰もが思い描いた通りの花を咲かせられるわけでもない。だが、歌詞はこう問いかける。「咲かせる場所は選べない」としても、今立っているその場所で泥まみれになりながら踏ん張ることに、どれほど尊い価値があるのかと。勝者だけを称えるのではない。土にまみれて泣き崩れた敗者の誇りすらも包み込む視線こそが、この楽曲の真骨頂である。