日本のビール市場における「生」の比率は、昭和から平成にかけて劇的な変化を遂げた。かつて主流だった熱処理ビールから、1970年代以降、熱を加えない生ビールへのシフトが急速に進行。その流れを定着させた代表格が、サッポロ黒ラベル(登場時はサッポロ生ビール)の存在や、1987年に登場して空前の大ヒットを記録したアサヒスーパードライだ。
これらの銘柄は、ろ過技術によって雑味を極限まで削ぎ落とし、洗練されたクリアな喉ごしを実現した。居酒屋の樽生だけでなく家庭用缶ビールにもこの「生」が浸透したことで、日本人の舌には「生=キレのある爽快なビール」という体験が強く刻み込まれることとなった。