1992年に放送されたドラマ『ずっとあなたが好きだった』における「冬彦さん」という社会現象は、日本のテレビ史における決定的な転換点だった。マザコン、オタク、執着心。当時としてはあまりに異質だったキャラクターを、彼は恐ろしいまでのリアルさと可笑しさを交えて演じ切った。
木馬にまたがり、指を噛むあの一連の所作。それは脚本の行間を徹底的に読み解く緻密な計算と、野性的な直感の融合から生まれたものだ。流行語大賞に輝くほどの狂騒を巻き起こしながらも、本人は終始冷徹な客観性を保っていた。一時のブームとして消費されることを固く拒み、その後も愚直なまでに役柄の深層へと潜り込み続けた姿に、真の表現者としての凄気が透けて見える。