「証券会社の強制ロスカット機能があるから、借金になる前に自動で損切りされるはずだ」――そう過信している投資家は極めて危険です。相場の世界では、強制ロスカットが間に合わないという異常事態が日常的に発生します。
例えば、週末の地政学リスク発生や海外市場の大暴落を受け、月曜日の朝に相場が基準値を大きく下回る「窓開け(ギャップダウン)」で始まった場合、ロスカット設定ラインを飛び越えてはるか下値で値がつきます。また、売り注文が殺到して取引所が「ストップ安張り付き」になると、取引自体が成立せず、ロスカット注文が出ているにもかかわらず決済が約定しません。
注文価格と実際に約定した価格の乖離(スリッページ)によって、あらかじめ想定していた最大損失を何倍も上回る損失が確定します。夜間取引や指標発表時の急変動では、わずか数秒の間にシステムが処理しきれないスピードで価格が崩壊し、気がついたときには口座残高に数千万円のマイナス表示が刻まれていたという事例は決して珍しくありません。