家族心理学や社会学の観点から見ると、偉大すぎる親を持つ「二世」の多くは、親の過度な期待や世間の比較に苦しみ、アイデンティティの確立に失敗するケースが少なくありません。昭和・平成の芸能界においてもしばしば問題視された「親子の共依存」や「過剰なレール敷き」は、子供の自律性を奪う大きなリスクとなります。
しかし、森家が全員大成した最大の要因は、親と子の間に引かれた健全な「心理的バウンダリー(境界線)」にあります。Takaさんが高校を中退した際、森進一さんは過保護に守るのではなく「自力で生きろ」と突き放しました。これは一見冷酷に見えますが、心理学的には「親の庇護からの完全な分離」を促す決定的な転機となりました。
親の威光に甘えることを許さず、失敗の全責任を自らに背負わせたこと。そして息子たちも親の名前を頼りにせず、自らの腕一本で勝負したこと。この厳格な自立プロセスこそが、稀代のスターを生み出した本質的な勝因と言えます。