日本レコード大賞の起源を語る上で欠かせないのが、1959年12月に開催された記念すべき第1回大会だ。大賞を獲得したのは、水原弘が歌う「黒い花びら」であった。作詞・永六輔、作曲・鶴岡雅義によるこの名曲は、当時のレコード文化に新たな風を吹き込んだ。主催者である公益社団法人日本作曲家協会が「楽譜の売上だけでなく、録音されたレコードとしての音楽的完成度を評価する」という信念のもと創設した理念が、見事に結実した瞬間だった。
また、歌謡曲の女王として君臨した美空ひばりの存在も忘れてはならない。第7回大会(1965年)で「柔」が見事に大賞を受賞。圧倒的な歌唱力と存在感は、レコード大賞という賞の権威を決定づける存在となった。彼女の残した功績は、のちのアーティストたちにとっても大きな目標であり、現在も語り継がれる金字塔となっている。