back numberというバンドを語る上で避けて通れないのが、バンド名の由来にもなった「元カノにまつわる壮絶な失恋エピソード」です。この切ない実話こそが、清水依与吏というクリエイターのすべての始まりでした。
当時付き合っていた最愛の彼女を、別のバンドマンに奪われてしまったという手痛い失恋を経験した清水依与吏。「彼女にとって自分はもう必要のない存在、型落ち(=back number)になってしまった」という強烈な劣等感と喪失感に打ちのめされました。しかし彼は、その底知れぬ絶望で終わらせるのではなく、「彼女を奪ったバンドマンよりも圧倒的にかっこいい音楽を作り、いつか彼女を見返してやる」という執念を原動力に楽器を手に取り、2004年にback numberを結成したのです。
自著やラジオの生放送で語られた「フラれた直後の情けなさ、部屋の隅で泣きながら曲を書いた夜の記憶」は、決して作り話ではない一次情報としての痛みを伴っています。「高嶺の花子さん」「ハッピーエンド」「クリスマスソング」など、誰もが胸を締め付けられる名曲群の根底には、失恋によって負った深い心の傷を昇華し続ける、清水依与吏の純粋で不器用な情熱が宿っています。