「ロシアの村」と聞いて、日本の読者が真っ先に思い浮かべるかもしれないのが、かつて新潟県阿賀野市に存在したテーマパーク「新潟ロシア村」の記憶だろう。1990年代の開園から閉園、そして廃墟化を経て、現在ではその建造物の多くが撤去または解体され、かつての異国情緒あふれる佇まいは記憶の彼方へと消えつつある。
かつて日本国内でロシア文化を体験できる象徴的な場所だったテーマパークの変遷は、日ロ関係の歴史的な揺らぎと妙に符合する。現地ロシアの本物の村々が変容を遂げる一方で、日本の中にあった「ロシア村」の跡地もまた、時代の移り変わりを静かに物語る歴史の遺物となった。