漫画の購読環境が紙の雑誌からスマートフォンやタブレットへ移行したことで、漫画のゾーニング基準は急速に変化しました。特に影響力を持っているのが、AppleのApp StoreやGoogle Playストアが設けている国際的なアプリ配信規約です。
紙の青年誌では掲載が認められていた表現であっても、電子書籍アプリ上では「性的・暴力的な不適切コンテンツ」と判定され、アプリ自体の配信停止や年齢レーティングの引き上げを求められるケースが多発しています。この結果、以下のような媒体ごとのギャップが生じています。
【媒体ごとの主なゾーニングと規制の差異】
・紙の青年誌・単行本:出版社の自主規制基準に基づき、作劇上の必然性があれば過激な心理描写や間接的表現が可能。
・公式漫画アプリ(iOS/Android):グローバル基準の審査を通過するため、肌の露出部分に白光や黒塗りの修正が入る、あるいは該当エピソード自体がアプリ内から除外される。
・Webブラウザ版電子書店:アプリストアの規約縛りを受けにくいため、年齢確認(18歳以上確認など)を挟んだ上で紙媒体に近いオリジナル版を配信する。
同じ作品・同じシーンであっても、「どの媒体・どのアプリで読むか」によって修正の有無や読める範囲が異なるという複雑な状況が生まれています。