万が一、仕上がりに強い違和感を覚え「歯列矯正で顔が変わったので戻したい」と切望する場合、どのような手段が残されているのでしょうか。完全に初診時の状態へ復元することは生体的に困難を極めますが、審美的な改善を図るアプローチは複数存在します。
まず検討されるのが、歯列矯正の後戻り理由を逆手にとった再治療や、前歯の傾斜角を微調整して口元のボリュームをわずかに復元するアプローチです。抜歯したスペースを再展開してインプラント補綴を施す手法や、歯列を外側へ広げてリップサポート(唇の裏からの支え)を回復させる高度な技術が選択肢に入ります。
ただし、再治療には歯根吸収や歯槽骨の減少といった生体リスクが伴います。そのため、まずは日本矯正歯科学会の専門医・指導医レベルが在籍する医院で歯列矯正の再治療カウンセリングを受け、セファログラム(頭部X線規格写真)を用いた厳密な再診査を受けることが不可欠です。筋肉の衰えによる頬のこけであれば、咀嚼機能の回復トレーニングや適正な食事習慣を取り戻すことで、半年から1年程度で自然にふっくらとした輪郭へ戻るケースも少なくありません。