枠の歴史を語る上で絶対に外せない伝説的作品がある。企業買収の渦中で蠢く欲望と信念を描いた最高峰のサスペンスドラマ『ハゲタカ』だ。大森南朋演じる鷲津政彦の底知れぬ凄みと、生々しい経済戦の攻防。放送当時、日本のテレビ放送におけるリアリズムの概念を根底から覆したと言っても過言ではない。
金と欲望が渦巻く世界を描きつつも、物語の根底に流れるのは「働くこととは何か」「復興とは何か」という泥臭い問いかけだ。単なる娯楽作の枠を遥かに超え、ビジネスパーソンからドラマファンまでを虜にした伝説の演出は、今なお色あせることなく語り継がれている。