物理的な身体はそこにあっても、心が伴っていない状態を英語では "absent-minded"(心ここに在らず、うっかりした)と表現する。近年、メンタルヘルスや認知科学の文脈で、この概念への再評価が進んでいる。
過剰なデジタル情報とリアルタイム通信に晒される現代人において、意識の分断は日常茶飯事となった。国際会議の壇上でスピーチを行う要人が、質問に対して要領を得ない回答をした際、海外メディアは容赦なく "He looked completely absent."(彼は完全に意識が飛んでいるようだった)と書き立てる。プレゼンス(存在感)の対極にあるこの言葉は、人物の評価を一瞬で引き下げる恐ろしい力も秘めている。