日本の音楽シーンにおいて、ミリオンセラーを記録するような代表曲の多くはシングル表題曲ですが、『いつかのメリークリスマス』はその定石を鮮やかに覆した稀有な作品です。本作が初めて世に出たのは、1992年12月9日にリリースされた4作目のミニアルバム『FRIENDS』でした。
松本孝弘が手掛けた、どこか哀愁を帯びつつも温かみのあるアコースティックギターとオルゴールの音色は、冬の冷たい空気感を見事に再現しています。当時の制作現場において、映画のサウンドトラックのように1枚のアルバムで1つのストーリーを描くというコンセプトが掲げられ、その中核を担う冬の情景として誕生したのが本作でした。
その後、1998年発売のベストアルバム『B'z The Best "Treasure"』の収録曲を決めるファン投票で上位に選出されたことを契機に、広く一般層へと認知が拡大。2000年代以降はペプシコーラのCMソングやTBS系ドラマの挿入歌など、数々の大型タイアップにも起用され、「シングルではないのに誰もが知るメガヒット曲」という唯一無二の地位を確立しました。