東西の調教拠点を客観的に見つめ直す栗東トレセン比較を行うと、両者の個性と強みの違いがより明確になります。滋賀県栗東市に位置する栗東トレセンは、急勾配の坂路を核としたスピード・パワー強化に定評があり、短距離から中距離戦線で数多くの名スプリンターやダート王者を輩出してきました。
対する美浦は、広大な敷地面積を誇り、平坦コースのバリエーションが豊かです。長距離戦やタフな馬場コンディションへの対応力、繊細な気性コントロールを求められるクラシック路線において、広々としたコース設計が大きなアドバンテージを生み出しています。
施設面での格差が解消された現在、東西の優劣は「調教施設の差」から「個々の厩舎が持つマネジメント力や調教戦略の差」へと移行しました。坂路とフラットコースを目的に応じて自在に使い分ける柔軟性において、現在の美浦は世界基準の調教環境を整えたと言っても過言ではありません。