日本全国の寺院関係者や地域社会の現場では、花祭りのあり方に変化が生じています。かつて昭和から平成初期にかけては、子どもたちが華やかな平安装束に身を包んで街を練り歩く「稚児行列(ちごぎょうれつ)」が盛んに行われ、地域の春の風物詩として親しまれていました。
都内天台宗寺院の僧侶は、近年の参拝者の動向について次のように語ります。
「クリスマスやハロウィンといった西洋の宗教行事が商業的に定着した一方で、寺院の花祭りは派手な宣伝を行わないため、若い世代の間で『4月8日が何の日か知らない』というケースが増えているのは事実です。しかし近年では、SNSで境内の美しい花御堂の写真が共有されたり、健康志向の高まりからノンカフェイン・ノンカロリーの自然甘味料である甘茶の効能が見直されたりして、20代〜30代の参詣者が再び増え始めています」(都内寺院副住職談)
インターネット上のコミュニティや知恵袋、SNSの投稿を分析すると、「子どもの頃にお寺で飲んだ甘茶の独特の甘さが忘れられない」「花御堂がフォトジェニックで癒やされる」「キリストの誕生日は祝うのに、なぜ仏教徒の多い日本でお釈迦様の誕生日が祝日にならないのか不思議」といった、素朴な関心や再評価の声が数多く見受けられます。