男たちが歩行者天国の路上に立ったとき、街の空気は一変した。1980年代初頭の原宿。派手な衣装と軽快なステップが主流だった竹下通り周辺で、異質な存在感を放つ若者グループがあった。母体となったのは大所帯の若手表現者集団「劇男一世風靡」である。
その中から歌とダンスに特化した選抜メンバーによって結成されたのが、一世風靡セピアだった。当時、路上パフォーマンスといえばストリートバンドやダンスチームが主流だったが、彼らが提示したのは洗練されたポップさではない。汗と威厳、そして武道に通ずる張り詰めた緊張感だった。投げ銭も受け取らず、ただ己の表現を路上に叩きつける姿は、若者たちの口コミであっという間に話題を呼ぶことになる。