ナワーブ・サベダーという男を語る上で避けて通れないのが、ネパール出身の「グルカ兵」として英国東インド会社に雇用されていた過酷な生い立ちです。彼のプロフィールにおいて公式設定されている誕生日は7月23日。年齢はおよそ20代中盤から後半と推測されており、過酷な軍務によって培われた鋼の肉体と鋭敏な反射神経を備えています。日本版キャラクターボイス(声優)を担当する岡本信彦さんの低音で絞り出すような緊迫感ある演技は、ナワーブが背負う戦場の硝煙と深い孤独を見事に表現しています。
彼が故郷を離れ、命を危険に晒す傭兵家業に身を投じた最大の動機は、ネパールに残した「母親への送金」でした。貧困に苦しむ家庭を支えるため、危険手当の出る過酷な戦場を選び続けたナワーブですが、そこで目にしたのは植民地戦争の不条理と搾取の構造でした。背景推理や公式設定資料集の記述を紐解くと、彼は雇い主である東インド会社の非道な命令と、人道的な葛藤の間で激しく引き裂かれていたことが判明しています。
さらにナワーブを決定的に追い詰めたのが、戦場での「生き残り」そのものが生み出したトラウマです。戦友たちが次々と凶弾に倒れる中、卓越した戦闘技術ゆえに生き残ってしまった彼は、心理学で言うところの「サバイバーズ・ギルト(重篤な生存者罪悪感)」を抱えることになります。過度のストレスによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、ゲーム内の内在特質「戦争後遺症」としてシステムにも色濃く反映されており、暗号機解読や治療速度の低下という形で彼の精神的傷痕が描かれています。