ふたりの距離が急速に縮まったのは、昭和の熱気が最高潮に達していた1980年代後半のことだった。破竹の勢いでツアー勝利を重ねていたジャンボ尾崎と、テレビ画面を通じてお茶の間に温もりを届けていた坂口良子。頂点に立つ者同士が密かに育んだロマンスは、発覚と同時に日本中を大きな驚きで包み込んだ。
交際発覚当時、メディアは二人の動向を「昭和最後の大物カップル」として連日センセーショナルに報じた。しかし、年間を通じて全国を転戦するプロゴルファーの過酷な生活と、過密な撮影現場をこなす女優の日常は、容易には噛み合わない。すれ違いの時間は次第に増え、一部では金銭的なトラブルや取り巻く環境のギャップも取り沙汰された。
やがて二人は破局という道を選ぶことになるが、それは決別ではなく、互いの人生とキャリアを尊重した結果だった。関係を解消した後も、二人は確固たる信頼で結ばれており、苦しい時期には陰で支え合う特殊な関係性を維持し続けた。ただの恋愛関係を超えた「魂の同志」とも言える絆が、そこには存在していた。