父である本木雅弘もまた、常に己の限界を打ち破り続けてきた稀代の表現者だ。かつてシブがき隊のメンバーとして一世を風靡した彼は、グループ解散後、周囲の予想を遥かに超える見事な変身を遂げた。NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』で見せた重厚な演技、そして自ら企画を持ち込み米アカデミー賞外国語映画賞の快挙を成し遂げた名作『おくりびと』など、その歩みは飽くなき挑戦の連続だった。
役に憑依し、完璧を求めて自らを追い込む父の背中を見て育ったUTAにとって、父は最大の誇りであり越えるべき存在だ。妥協を許さない父のプロフェッショナリズムは、形を変えて息子の表現に対する真摯な姿勢へと受け継がれている。