現代の最新織機が1分間に千回以上のスピードで平滑な生地を織り上げるのに対し、彼らが使用するのは半世紀以上前に製造された旧式の力織機(TOYODA G9など)だ。ガタガタと大きな音を立ててゆったりと織られる生地は、糸にかかる負荷が極めて少なく、手織りに近い空気を包み込んだようなふっくらとした質感を備える。
当然ながら生産効率は最悪だ。糸切れが頻発し、職人が常に付きっきりで調整を行わなければならない。しかし、この非効率さこそが、生地の表面に現れる「ムラ感」や凹凸を生み出し、洗いを重ねるごとに味わい深いタテ落ち(縦方向の色の抜け落ち)をもたらす。均一であることを良しとする近代工業製品に対する、強烈なアンチテーゼがここにある。