世界のアニメーション史において、宮崎駿という名をとどろかせた意味は計り知れない。『千と千尋の神隠し』での受賞から21年、80代を迎えた巨匠が投じた『君たちはどう生きるか』の長編アニメーション賞受賞は、ハリウッドの巨頭スタジオたちに強烈な打撃を与えた。フル3DCGが全盛を極める中、手描きアニメーションの手触りと複雑な精神性を貫き通した姿勢が、最高峰の称賛を勝ち取ったのだ。
この快挙は単なる老将の個人的勝利にとどまらない。邦画アニメーション全体に対するグローバルな評価基準を根底から塗り替えた。ディズニーやピクサーが席巻してきた賞レースの文脈に、日本独自のアニメーション表現が不可欠な存在として完全に定着した証左である。