宮崎県都城市に生まれ、地元の高校を卒業したのちに上京した温水洋一。日本大学法学部に進学した当時の彼は、豊かな黒髪をなびかせ、少しアンニュイで鋭い眼光を持つ青年だった。当時のスナップ写真を見ると、流行のマッシュショート気味のヘアスタイルに洗練されたファッションを身に纏い、レンズに向かってクールな表情を浮かべている。
「当時は普通にモテようとしていましたよ」と、後に本人がバラエティ番組で照れながら明かしたこともあるが、実際に大学構内でも密かに目を引く存在だったという。法学部という堅い学問の場に身を置きながらも、彼の心を強く引き寄せたのは、当時東京で熱気を帯びていた小劇場演劇のブームだった。