時任三郎の名を全国区へと押し上げた決定的な作品が、1983年に放送を開始したTBS系ドラマ『ふぞろいの林檎たち』です。脚本家・山田太一が手掛けた本作は、学歴社会や将来への不安に葛藤する若者たちのリアルを描き出し、最高視聴率20%超を記録する歴史的名作となりました。
時任三郎が演じたのは、三流大学に通う粗削りで不器用な青年・岩田健一。中井貴一や柳沢慎吾らとともに演じた等身大の青春群像劇は、当時の若者層から凄まじい共感を呼びました。高身長でスタイリッシュな見た目とは裏腹に、劣等感を抱えながら泥臭くもがく健一の姿を繊細かつ力強く演じ切ったことで、「単なるイケメン俳優」から「確かな演技力を持つ実力派」へと評価を確立したのです。
シリーズはパート4まで制作される大ロングセラーとなり、彼のキャリアにおける揺るぎない金字塔となりました。