「本宮泰風とだけは絶対にもめるな」——これは、昭和から平成の夜の街を知る者たちの間で密かに語られてきた暗黙の了解だ。格闘技界や芸能界の強者たちが口を揃えて「本当に強い男」として名を挙げるのが、若き日の彼である。
実兄である原田龍二と共に、地元・東京の足立区周辺では知らない者がいないほど有名だった青年時代。ボクシング、総合格闘技、さらには総合格闘技道場「大道塾」やブラジリアン柔術への傾倒など、彼の強さは単なる街の喧嘩にとどまらない本格的な技術に裏打ちされていた。だが、本人は決して自慢することはない。「ただ負けたくなかっただけ」。そのストイックな姿勢こそが、周囲に本物の恐怖と尊敬を抱かせた理由だ。