映画界で確固たる地位を築く一方、90年代に入るとテレビドラマの世界でもその唯一無二の存在感を発揮し始める。『親愛なる者へ』や『恋人よ』といった大人向けの恋愛ドラマでは、少し陰のある都会的な男性を繊細に演じ分けた。
スーツを纏ったスマートな立ち姿と、時折見せる哀愁を帯びた横顔。女性視聴者の心を掴んで離さなかったのは、彼の演じる人物がどこか壊れそうな脆さを秘めていたからだ。ただの二枚目ではない、深みのある人間ドラマを表現できる数少ないスターだった。
一方で、任侠映画やサスペンスで見せるバイオレンスな佇まいも絶品だった。冷徹な殺し屋や屈折した刑事役で見せる殺気立った眼差しは、観る者の背筋を凍らせた。爽やかな二枚目から冷酷無比な悪役まで、振り幅の広さは同世代の中でも群を抜いていた。