本作を語る上で絶対に外せないのが、映画の音楽的完成度の高さだ。岩崎太整を筆頭に、Ludvig Forssell、坂東祐大といった国内外の気鋭の音楽家が集結し、壮大なサウンドトラックを作り上げた。冒頭の楽曲「U」や、物語クライマックスで歌われる「歌よ」は、単なる挿入歌の枠を超えて物語の推進力そのものとなっている。
自らの殻に閉じこもっていたすずが、ベルという姿を通じて世界中に歌声を届ける過程は、自己解放のプロセスそのものだ。画面越しに伝わるそのエモーショナルな旋律は、何度観ても鳥肌が立つほどの感動を観客にもたらす。