一方で、初の甲子園出場には現実的な課題も横たわる。私立校のように潤沢な野球部基金を持たない公立校にとって、大応援団の移動費用や長期滞在費、道具の新調にかかる多額の費用は大きな負担だ。
このピンチに立ち上がったのが、地元の卒業生や市民ボランティアだった。学校とPTAが連携して開設したクラウドファンディングには、開始数日で目標金額の過半数を超える支援金が殺到。寄付に訪れた市民からは「公立の誇りを見せてくれ」「自分たちの街の代表だ」といった温かいメッセージが添えられていた。資金的なハンデすらも、地域の一体感を深めるきっかけへと変わっている。