多くの30代・40代にとって、人形劇といえば「にこにこ、ぷん」だろう。1982年から10年間という長期にわたって放送されたこの作品は、それまでの人形劇の常識を覆した。じゃじゃ丸、ぴっころ、ぽろり。彼らが暮らす「にこにこ島」は、子どもたちにとっての理想郷だった。
特筆すべきは、キャラクターたちの強烈な個性だ。山猫のじゃじゃ丸は乱暴だけど人情味があり、ペンギンのぴっころは気が強く、ネズミのぽろりは泣き虫で上品。完璧な優等生など一人もいない。この「欠点だらけの愛おしさ」こそが、当時の子どもたちの心を掴んで離さなかった理由だ。昭和の終わりから平成の始まりにかけて、彼らはテレビの枠を飛び出し、日本中の幼稚園や保育園のグッズを埋め尽くした。