分類上は近縁でも、海の中で両者に対面したときの圧迫感は別次元だ。一般的に水族館で見かけるバンドウイルカの体長は2.5〜3メートル前後の500キロ前後だが、大人のオスのシャチは体長8メートル超、体重は6トンを軽々と超える。
身体のパーツにも目覚ましい違いが現れている。シャチの象徴とも言える三角形の大きな背びれは、成体オスでは1.8メートル近くまで直立する。一方、多くのイルカの背びれは鎌状に緩やかにカーブし、水流を効率よく受け流す設計になっている。巨大な体躯を加速させ、時には数トンある獲物をフリップさせるための強靭な尾ビレと胸ビレの構造こそが、シャチを海の絶対王者へと押し上げた決定的な肉体的差異と言える。