ABCマートをはじめとする大手の靴量販店には、トレンドを押さえた多種多様なシューズが並び、私たちの暮らしを彩っている。しかし、どれほど優れた量産体制が整っていても、一人ひとりの足の骨格や甲の高さに完璧に合致する靴に最初から出会える確率は決して高くはない。
現代の製靴業界において、シューズは標準的な木型(ラスト)を基準に量産される。だが、足の形は指の長さや幅、アキレス腱の角度にいたるまで千差万別だ。熟練の靴職人や、足の専門知識を持つシニアシューフィッターたちも、「市販の靴が完全に足にフィットしないのはごく自然なこと」と揃って口にする。だからこそ、自分の足に合わせて靴側を微調整する技術や知識が、靴を快適に履き続けるための必須スキルとなるのだ。