女性目線の失恋歌を男性歌手が歌うことで、楽曲に新たな立体感をもたらした金字塔が、徳永英明の歌唱です。大ヒットを記録したカバーアルバム『VOCALIST』(2005年)に収録された『オリビアを聴きながら』は、カバーブームの火付け役となりました。
徳永英明特有のハスキーなウィスパーボイスと伸びやかなハイトーンは、主人公の後悔や未練を痛いほど繊細に表現しています。アコースティック楽器を基調としたミニマルなアレンジが、歌声の持つ切なさを最大限に際立たせており、原曲のファンからも「男性ボーカルのカバーとして最高峰の完成度」と極めて高い評価を受けました。つるの剛士や河村隆一などの男性シンガーによるカバーとも一線を画す、静謐な情熱が宿っています。