問題の映像は、GPS信号が途絶える約3分前から始まっている。街灯が一つもない暗闇のなか、ヘッドライトが照らす道路の先に、人影のようなものが立ち尽くしている様子が映っていた。影は車両の接近にも動じず、ゆっくりと道路の中央へと歩みを進めているように見えた。
映像はそこで急激なノイズに覆われ、フレームアウトする。「人影に見える部分は、街路樹の影や雨粒による光の屈折の可能性も排除できない」と画像解析の専門家は語る。しかし、直後に車載マイクが拾った「カチリ」というドアノブを操作するような音と、それに続く短い足音は、第三者の存在を強く匂わせている。