人体内部への探索は、気の遠くなるような歴史の積み重ねの上にある。
16世紀、近代医学の父とされるアンドレアス・ヴェサリウスは、自らの手で緻密な人体解剖を行い、金字塔となる解剖学書『ファブリカ』を世に送り出した。それまで過ちと妄信に満ちていた古代医学の知識を打ち破り、正確なスケッチによって臓器の幾何学的な位置関係を人類に示してみせたのだ。
ヴェサリウスが切り開いた解剖学の系譜は、現代の高度画像診断技術へと直接つながっている。かつては木版画で刷られた紙の図鑑をめくっていた私たちが、いまやスマートフォン一枚で体内を3Dスケッチのように見通せる時代になった。