発売当時と現在とで、最も味わいが変化したのが「写真を撮りたがる」という冒頭の一節だ。ミレニアム前夜のフィルムカメラや初期のデジカメを想起させたこのフレーズは、あらゆる瞬間がデジタルデータとして消費される2026年において、奇妙なリアリティを持って響く。
なぜ人は写真を撮るのか。今この瞬間が失われるのが怖いからだ。記憶の風化に対する恐怖と、目の前の相手を「所有」したいという欲望。スマートフォンを掲げて世界を記録しようとする現代人の孤独は、すでに四半世紀前の歌詞の中で鮮明に予言されていたとも言える。